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平成28年2月定例会

県政に対する一般質問・議案に対する質疑

3月15日に下記について質問いたしました。

子どもの貧困問題について→【知事】【会計管理者】
(1)労働政策の観点から
(2)公契約条例について

社会的擁護が必要な子どもにかかわる諸問題について→【知事】【教育長】

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森雅幹:(登壇、拍手)

 県議会民主党の森雅幹です。
民主党と名乗るのが最後かもわかりませんが、通告に従いまして2点にわたって質問をいたします。

 まず、子供の貧困の問題についてであります。

 子供の貧困の問題の根本は、経済政策、労働政策、公契約にあると考えております。
たまたま経済的に不遇な家庭に生まれたが、どの子供たちも育ちの権利があるという立場で、貧困の連鎖の中にある子供たちを支援し、支えられる側から支える側にいざなうことの社会的な価値は非常に大きく投資効果は十分であるというふうに考えております。

 鳥取県子どもの貧困対策推進計画には、現状と課題が分析されており、具体的な取り組みが列挙してございます。
残念ながら、達成目標は事業を全市町村で行うことということになっております。
課題に対してどのような目標を立てるのかという大事なところが私は間違っているのではないかというふうに考えます。
ただ、対策事業を実施することが達成目標になっている。
事業の結果が必要ではないのでしょうか。
貧困の連鎖を断ち切るために何を目標とするのかということだと思いますが、知事の所見を求めます。

 次に、労働政策の観点から、子供の貧困対策は今いる子供たちへの川下対策と貧困な子供をつくらないための川上対策がございます。
子供の貧困問題解決に向けての川上対策として、労働政策において、知事はどのような対策をとろうとされているのか、また、国に何を働きかけようとしていらっしゃるのか伺います。

 貧困に苦しむ子供たちは、中卒で就職、ないし、また高校を中退して就職をしてしまうなど、条件が悪い中で就職をいたします。
また、早期に離職してしまうケースが多いとされております。
知事はこの件についてどのように把握をされているのか伺います。

 働くことに悩みを抱えている若年者が社会や職場に参加できるよう、とっとり若者サポートステーションがありますが、子供の貧困問題に特化して就職後のケアを行うなど、別の対応が必要ではないかと考えますが、知事の所見を伺います。

 公契約条例について伺います。

 この問題は、過去3回にわたり質問をしてまいりました。
そのたびに労働法制との整合性を盾に門前払いをされてまいりました。
この議会でも、錦織議員が質問をされております。
もちろん国が法制化するということが望ましいということは言うまでもありません。
多くの議員が建設業を守るために入札制度の改革などいろいろな提案もされ、また、改革もなされてきております。
しかし、清掃業務を初めとする委託業務などは手がつかず、放っておかれているのではないでしょうか。
今問題としている貧困の背景には、正規、非正規、そして、労働者の賃金を無視した入札、下請、こういったことがございます。
少なくとも県が発注する事業に絡んで低賃金労働者が生まれ、貧困につながっているとするならば大問題であります。
子供の貧困問題は公契約が関与しているという自覚はあるのかどうか、知事、会計管理者の所見を伺います。

 国に先駆けて条例を制定し、国を動かすべきだと考えますが、知事の所見を求めます。

 また、毎回、国や他の地方自治体の動向、あるいは検討状況、こういったものを注視してまいりたいという答弁をいただいております。
現在もう既に制定した市区でどんな問題が起こっているのか、会計管理者の答弁を求めます。

 次に、大要2点目で、社会的養護が必要な子供にかかわる諸問題について質問をいたします。

 鳥取県の社会的養護が必要な子供たちの人数、背景、理由などの状況について、過去の推移も含めて知事にお知らせをいただきたいと思います。

 子供たちの特徴は、保護者からの愛情を十分に受けてこなかったがために自己肯定感が薄かったり、あるいは、他の保護者からの差別感を感じたり、また、みずからの境遇に対し引け目を感じ、もともと自分たちはだめだという諦め感があったり、学習することの意味が理解できなかったり、結果的に低学力の子供が多いとされております。
この子供たちの将来を明るくしていくのは、低学力の底上げをした上での学力保障ではないかと考えております。
また、高校、大学の進学率を上げることではなくて、高校の卒業率を上げることではないかと考えておりますが、教育長の所見を求めます。

 次に、鳥取県社会的養護推進計画において、子供の数を14年後には約60人減の計画とされております。
貧困対策等で経済労働環境がよくなっていくのか、その根拠を明らかにしていただきたいと考えます。

 次に、委託施設に支払われる措置費の人件費単価を見てみますと、児童指導員21万4,000円、主任児童指導員23万4,000円など、施設職員の身分、処遇は低いままとなっております。
これまでも今議会でも保育士の待遇、あるいは看護師の待遇、こういったことがいろいろ問題とされておりますが、共通の問題であります。
こういった職員の身分、処遇、こういったことについての知事の所見を求めます。

 次に、児童相談所において相談を受けた場合、児童相談所では受理会議、調査・診断、判定、関係機関との連携調整、援助方針の作成、決定、実行ということにステップが踏まれております。
しかし、その援助の一つとして施設入所がありますが、この施設入所で児童相談所の仕事は終わりではありません。
定期的に子供に接触をし、常に子供の成長、変化の把握が必要とされております。
ケースワーカーは担当件数が70件から90件程度抱え、24時間対応で新たなケースに緊急対応が必要な場合もあるなど、苛酷な労働環境にあるのではないかと考えております。
子供一人一人と信頼関係をつくり、子供の権利を尊重して行っていくという建前からすると、非常に難しいことを職員に課しているのではないかと私には思えてなりません。
根本的に児童相談所の増員が必要ではないかと考えますが、知事の所見を求めます。

 また、子供と信頼関係をつくり子供の本音を把握するためには、長期の同じ施設での勤務が必要ではないかと考えますが、重ねて知事の所見を求めます。

 次に、里親の問題について伺います。

 鳥取県の里親は、2016年1月現在、89世帯、56人の子供が委託をされております。
現在の鳥取県の里親の状況について、また、里親委託のメリットは何なのか、里親の条件、身分、地位はどうなっているのか、また、その問題点について、知事の所見を求めます。

 現在の里親の3分の2は実子の養育経験がないとも聞いております。
いろいろな問題を抱えた子供たちを養育する里親のスキル、あるいは質の確保が重要だと考えますが、この3分の2は実子の養育経験がないという、こういった里親の現状について、今後どのようにやっていくのか、知事の所見を求めます。

 また、鳥取県社会的養護推進計画の中では、全体の子供の数を児童養護施設で3分の1、グループホームで3分の2、里親で3分の1という計画になっております。
どのような形で実現をしていくのか伺います。

 次に、子供の支援について伺います。

 子供主体の意思表明を守る意思決定支援が必要だと考えておりますが、児童相談所としては、施設、里親側にどうしても立っているのではないかと私は思うところですが、常に児童相談所側としては自問自答が必要だと考えております。
子供の育ちについて、児童相談所長が権限を持っているわけですけれども、その権限をどのように行使しているのか、評価、モニタリングする第三者機関が必要ではないかと考えますが、知事の所見を求めます。

 次に、退所後支援について伺います。

 この児童養護施設を基本的には、18歳で就職をして退所ということになるわけですけれども、この1年以内に約3割が離職すると言われております。
この就職定着の支援、あるいは生活相談支援が重要でありますが、どのように対応していらっしゃるのか。

 また、先日のテレビではショッキングな報道がありました。
北海道では、その2割が行方不明になっているとの報道がございました。
県内ではどういうふうになっているのか、知事の所見を求めます。

 最後に、親支援について伺います。

 児童養護施設に預けている親の支援であります。
考え方として、安全と食事が保障されれば親と一緒に暮らすということが子供にとって幸せだという考え方に立てば、親支援は非常に重要なところであります。
児童養護施設に預けた親に対し、支援にはどんなプログラムがあるのか伺います。


平井知事:(登壇)

 県議会民主党の森議員の一般質問にお答え申し上げます。

 まず、子供の貧困問題につきましてお尋ねがございました。

 課題に対してどのような目標を立てるかという観点で何が一体目標となるべきものなのかということのお尋ねがございました。
これについては、議場での議論でちょっと県庁のほうでも少し軌道修正しながら、子供の貧困対策の計画をつくらせていただき、このたび、子育て王国とっとり条例の中でも、その点を位置づけをさせていただいて、県としても取り組んでいこうということにさせていただきました。

 この目標について、具体的な数値を入れたものも確かにありますけれども、取り組む市町村の数をふやすということが究極の目標では決してございませんで、これは、今申し上げましたような状況で、ちょっとトップダウン的に計画を急いでつくらせたということがありまして、まだ十分でないと思います。
そこをまた今後、PDCAサイクルを回す中で、子育て王国とっとり会議のほうとも協議をしながら、また、いろんな目標は立てていきたいと思います。

 ただ、究極は何かといえば、これはやはり社会構造だと思います。
一番の原因の一つは、やはり新自由主義的な経済的な価値観が、先進諸国、さらには、最近では中国やロシアも含めて席巻したのだと思います。
そういう中で、貧富の差が拡大してしまった。
本来は、1億総中流とも言われた日本社会の特質が失われつつあること。
このことが究極であって、これに対するチャレンジでありますので、そう簡単なことではありませんし、正直、県レベルでできることにも限界があるのは御認識をいただければと思います。
ただ、放っておいていいのだろうかということであります。

 そこで、一つには、雇用の領域で安心して働ける職場をつくるということ。
それから、子育て環境ということでパイオニアとしての政策も含めて、鳥取県なりの挑戦をしていくということ。
また、教育面での貧困の連鎖を断ち切るという観点で、学習支援を初めとした新しい局面の事業にも乗り出す、こうしたことなどを具体的にやっていって、我々だけで全部が変わるわけではありませんけれども、社会構造を変えていく、その環境づくりはお手伝いできるのではないかというふうに考えます。

 そういう意味で議員のほうからお尋ねがございましたのは、労働政策についてどうか、とっとり若者サポートステーションがあるけれども、いろいろと対応が必要ではないかということ、るるお話がございました。

 これにつきましては、やはり働く場を整備するということがありますが、特にいろんな家庭環境やあるいは教育環境の中で働きにくい子供たちがいると。
その子たちが今、就職適齢期に入ってきている。
それをどう考えるかということが議員のおっしゃる中心課題ではないかと思います。
これについては、若者仕事ぷらざをつくって本県では対処してまいりましたし、それなりの効果は確かに得られていると思います。
しかし、中には発達障害というようなことがあるかとか、いろいろと課題のある子供がいるのも事実でございまして、そういう若者については、若者サポートステーションといった仕組みを入れながら進んでいかなければいけないと思います。

 議員が御指摘いただいたように、離職を繰り返す、そういう青年がいることは当方も十分認識をしておりますし、何とかそういうことにならないように、職場におけるジョブコーチなども含めて、今政策のウイングを広げてきたところであります。

 今、次の一手として、若者サポートステーションでの取り組みに加えて、日本財団と協議をしておりまして、こういう貧困の連鎖ということにならないように、そうした意味で若者が就職できる、そういうスキルをきちんと身につけられるようなことは考えられないだろうか。
モデルとしては、川口にある施設を念頭に置きながら、ビルの2階にしつらえようかということを今具体的に話しているのですが、下に若者仕事ぷらざだとか、サポートステーションだとかある中で、それと連動しながらやる新しい仕組みとして、疑似オフィスをつくると。
その疑似オフィスにおいて、仕事のやり方というのを体験をする指導を受ける、そういうことで自信をつけてもらって就業につなげていく。
こういうような従来にはない取り組みを始めてみてはどうだろうかと思っております。
いわば、若者就職困難者の就労モデル事業をやってみようと。
今、日本財団のほうでもサポートしていただけるようにお話をしているところであります。

 次に、清掃業務等の委託について、入札との関係はどうかというお尋ねがございました。

 清掃等につきましては、最低制限価格の制度を入れ、それから、システム開発について低価格調査をさせていただいておりまして、こうやって今議会でも完全でないのではないかという指摘がございましたけれども、関係先にも徹底をして、こうしたことを進めていきたいと考えております。

 公契約条例につきまして、子供の貧困が関係しているということはいかがかということや、あるいは国に先駆けて条例を制定すべきではないかというお話がございました。
議員のほうから用意していた答えをみずからしゃべっていただいたようなところもございますけれども、同様の話になってまことに恐縮な面はありますが、我々は真面目に考えているのです。
真面目に考えるのですが、しかし、公契約条例で書けるところがどこまであるかという壁が相変わらずございます。
そこのところは、なかなか悩ましいというところが現実のところでございまして、貧困ということにつながらないようにということで、先ほど申しましたような低価格調査とか、それから、最低制限価格の導入だとか、いろいろとそういうジャンルを広げていくことを片方でやりながら、さらに下請の状況調査だとか、いろいろと進めていくということが現在できるところなのかなというふうに考えているところでございます。

 実は、最近も長野県を初めとして、こういう公契約条例なるものをつくっている県も出てきたところではあります。
4県ほどございますが、そのうちの2県は完全に基本理念の条例にとどまっていますし、残る2つは、賃金のことは書いてありますけれども、そこに書いてある賃金は最低賃金以上の賃金を払えるということを書いてあるところでございまして、これは、最低賃金法の丸写しなわけであります。
ですから、法的効果がないのですね。
なぜそうなってしまうかというと、地方自治法の中で条例の制定権の制限がありまして、法令の範囲内というふうに書いてあることなどによることだと思います。
我々もいろいろ他県の状況も相変わらず調査をしたりして、何ができるかということを考えているのですが、まだ悩み深い中にあるということを御理解いただければと思います。

 次に、社会的養護につきまして、お尋ねがございました。
これについて、るるお尋ねがございまして、まず、60人減の計画の根拠はどうかということでありますが、これは子供の総数の減少と、あとは発生率を掛け算しただけのことでありまして、ただ、定性的な状況を反映したというところであります。
問題は、どうやって社会的養護を実現するかでありまして、そちらのほうで、私どもは具体的な施策を講じてまいりたいと考えております。

 また、社会的養護の施設におきます職員の身分関係について、これは子育て王国推進局長からお答えを申し上げたいと思います。

 また、ケースワーカーとしての状況でございますが、これは、児相が具体的に言えば、私ども県のほうで対応しているところであります。
ただ、御案内のように、児童福祉法の体系が変わっておりまして、児相でやることと、それから、市町村でやること、ここのところのやはりすみ分けといいますか、市町村への一部移行がなされているところでございます。
ですから、市町村が重要な役割を果たすのですが、非常に厄介な事案について、児童相談所の発揮する機能が期待されているということでありまして、そういう中で、私どものほうも人員の配置等の工夫をいたしているところでございます。
現実には、平成12年に11名のケースワーカーの配置であったものが、それが今19名まで増員をいたしておりまして、人口当たりということで見ていただければ、全国で第2位の配置数ということでありまして、決して配置を怠っているわけではないところでございます。
なぜ、こういうふうに実はちょっと厚目になってきたかといいますと、事件とかいろんな調査結果の公表をされたりするたびに、現場と話し合って対策をとってきております。
平成25年のときに全国調査の中で虐待件数が鳥取県は急上昇したということがあって、そのとき、例えば福祉相談所の人員であるとか、そうした現場の対応できる人員の増員を図らせていただきました。
こういうことなどを折に触れてやってきておりまして、体制整備を進めてきているところであります。

 また、実は人事上もこの児相については、長目の職員配置がなされておりまして、一般職の職場とは若干違うようになっております。
また、配置転換があったとしても、それは児童相談所と非常によく似た職場環境の中で回っているケースが大半でございまして、キャリアアップとそれから、現場での対応の調和を図ろうとしているところでございます。
ただ、森議員の問題意識もよくわかりますので、今後も人事上、配慮してまいりたいと思います。

 次に、里親の現状、それから、状況や身分、問題点についてということがございましたが、これにつきましては、子育て王国推進局長からお答えを申し上げます。

 また、里親の3分の2は実子経験がないということ、それから、社会的養護の計画での里親3分の1の実現についてどうかというお尋ねがございました。
詳細は、子育て王国推進局長のほうからお答えを申し上げたいと思いますけれども、これにつきましては、現状を前提として、これからも改善を図っていかなければいけないということになりますが、一つは里親の数をふやすという戦略、ですから、自治会とか民生委員さんとか、そうしたところのいろんな研修、アピールをさせていただいたりして、裾野を広げていこうということです。
幸い最近ふえる現状にあって、後で申し上げると思いますが、ただ、まだ十分かというとそこのところの課題もあろうかと考えております。

 また、子供の保護という観点で、児童相談所長の権限について、評価、モニタリングする第三者機関が必要ではないかというお尋ねがございました。
これにつきましては、社会福祉審議会の中の児童の専門部会のほうで、今議員がおっしゃるような機能を果たしてもらうというのがアイデアかなというふうに考えております。
実は国も今、同じような観点で、こうした適正化といいますか、行き過ぎがないようにということの仕掛けづくりを考えていますけれども、まだ制度化されていませんが、やはりそうした審議会の活用ということを検討する方向のようだと伺っております。
ですから、本県でもそうしたことで審議会を活用してみてはどうかと考えております。

 また、そのほか、18歳就職対象が3割離職するというようなケースであるということ、また、行方不明のケースがあるか、また、親支援のプログラムということなどにつきましてもお尋ねがございました。
これら、子育て王国推進局長からお答えを申し上げたいと思いますが、例えば、コモンセンスペアレンティングの研修であるとか、そうしたことをさまざま実施しながら、こういう政策課題に応えてまいりたいと考えております。


井上子育て王国推進局長:

 私のほうから、社会的養護の関係につきまして、補足の答弁を申し上げたいと思います。

 まず、社会的養護の関係、社会的養護が必要な子供たちの人数、背景と現状ということでございますけれども、もともと児童福祉法、戦後制定されたときには、いわゆる戦災孤児ということで、親がいないというお子さんを預かるという形でこの制度自体がスタートしてきているわけでありますけれども、近年、児童養護施設に入るお子さんというのは、やはり親の虐待によるものというのが非常に多い状態が続いております。
人数といたしましては、近年ここ10年ぐらいは大体300人ぐらいで推移しておりまして、ここ1~2年は若干減少傾向ということでございます。
新規入所の要因を見ますと、約半分が毎年、親の虐待を要因として児童養護施設あるいは乳児院等への入所というような状況が続いております。

 この要因といたしましては、やはり親のある意味余裕のなさというところがあろうかと思います。
経済的な不安、あるいは、多いパターンといたしまして、そもそも望まない妊娠とか、産後鬱といったような、いわゆる出産時に何らかの問題があったとか、あるいは保護者の孤立、配偶者からのDVと、こういったさまざまな状況がそれぞれにございますけれども、いずれにしても、近年といたしましては、虐待要因による入所というのが多いような状況が続いております。

 こういった中で、実際にお子さんを預かっております委託施設、児童養護施設なり乳児院の職員の処遇についての御質問がございました。

 議員御質問の中で触れていただきましたように、児童養護施設等に委託という形で子供の処遇をお願いしているわけですけれども、その際に、委託費の単価といたしましては、児童指導員なり、主任児童指導員なり、御質問にありましたように、約20万円ちょっとぐらいの単価という形になっております。
ただ、実はこの単価がそのままストレートに職員の方にお支払いされるというわけではありませんで、これは、ほかの福祉施設と同様ですけれども、各施設の職員の勤続年数に応じまして、民間施設給与等改善費という形の加算の仕組みがございます。
これが、児童養護施設の場合は最大25%まで加算ができると、こういうような仕組みになっております。

 また、組織の人件費の単価自体も、例えば、平成27年度に消費税率の引き上げに伴う増収を活用いたしまして3%の改善が行われたほか、これは今回補正予算の中で御可決をいただきましたけれども、公務員給与に連動した給与改定というのも、ほかの保育所等と同じような形で児童養護施設も、一定の改善がなされているところであります。
ただ、これも保育士と同じで、改善の幅も本来5%が予定されていたところが、財源不足ということで3%に圧縮されたというような経緯もございまして、特に児童養護施設につきましては、24時間を交代で勤務するという保育所以上に職員のハードさというのはございますので、こういった職員の処遇改善のために、国においてもしっかり財源を確保していただきたいというふうに考えておりまして、我々としても引き続き要望を行ってまいりたいというふうに思っております。

 里親の現状につきまして、あるいはその問題点についてということで御質問がございました。

 里親につきまして、社会的養護を必要とする子供ということでございますので、できるだけ家庭的な養育環境の中で特定の大人と継続的で安定した愛着関係を形成することが望ましいということで、里親への委託をふやす取り組みをしております。
その結果、県内の里親の登録世帯数が今時点で89世帯となっておりまして、これは10年前に比べて約4割増加をしております。
それから、里親への委託率も今時点20.4%ということでありまして、これはこの10年間で約2倍というふうになっております。

 この里親の中には、いわゆる養子縁組里親という形で、実際に養子縁組を結んで、いわゆる戸籍上にも子供と関係ができるというようなパターンもございますけれども、多くは養育里親という形で、児童養護施設と同じような形ですね。
ですから、親御さんのほうに実の親のほうに親権を残したままで、ただ、実際の養育を親にかわって児童相談所からの委託を受けて養護に当たるという、養育里親というのがパターンとしては一番多い形になっております。

 今後につきまして、先ほど議員の御質問の中でもお触れいただきましたように、昨年策定いたしました鳥取県社会的養護推進計画におきましては、家庭的な養護を進めるということで、今後15年間で里親の委託率を33%まで引き上げるというふうにしております。
このためには、先ほど知事からもございましたように、まずは、やはりその里親の数、登録世帯数をまだふやす必要があるのではないかというふうに考えております。
また、特に県内では、市町村の中でもまだ里親がおられない町村というのもございますので、そういう地域バランスも含めまして、まず里親の登録をしていただく世帯をふやしていくという取り組みが必要ではないかというふうに考えております。

 特に社会的養護の要因として虐待がふえているということでございますので、預かるお子さんにも被虐待児童、あるいは発達障害を抱えたお子さんというのが非常にふえております。
こういったお子さんを養育するということになりますと、いわゆる高度なスキルが必要になるということでございまして、先ほど申し上げた養育里親の中でも、こういった経験を積んでいる方に関しては、専門里親という形で、そういった方々に委託をお願いするという仕組みもございますけれども、その専門里親の数というのは、まだ県内でも少ない状況でございます。
現時点でまだ14名しかおられないということでございますので、こういった方をふやしていくということも必要ではないかというふうに考えております。

 そういった里親になられる方の養育権限という形で御質問がございました。

 議員の御質問の中で、里親の3分の2が実子の養育経験がない人というようなことでお触れいただきましたけれども、県内の状況で申し上げますと、この数字は3分の1ということでございます。
こういった方々の中にも、児童養護施設の職員でありますとか、あるいは保育所等で仕事として子供に接してこられたという方もおられますけれども、中には、これも以前御質問がございましたけれども、不妊治療をずっとしておられたけれども、なかなかうまくいかずに自分の子供を授かることができなかった。
だけれども、里親という形で子供を養育していきたいというようなことを御希望されて里親に登録をされる方も中にはおられます。

 このような形で、里親になられる、登録される際には研修を行っておりまして、これも座学の研修だけではなくて、実際に児童養護施設に行っていただいて実技も含めて研修を受けるというような仕組みもございますし、あと、里親の登録自体を5年置きに更新をする形になっておりますけれども、その5年ごとにもこういった研修を受けていただくということになっております。
これは国全体の制度としてやっておりますけれども、本県におきましては、プラスいたしまして、毎年里親の養育力向上としたスキルアップ研修というのを、これも外部の方から講師をお招きして、今年度、昨年度、年2回でございますけれども行っているところでございます。

 社会的養護推進計画の実現に向けて、3分の1ずつということで御質問でも御紹介いただきましたけれども、現時点で里親の委託率が20.4%ということでございますので、あと10%ちょっとふやす必要があるところでございます。
これにつきましては、先ほど申し上げましたように、どうしてもやはり子供の状況とあるいはその地理的なことも含めてマッチングを行っていきますので、やはり里親の数自体がある程度ふえないと委託が進まないということがありますので、これは引き続きやっていく必要があろうかというふうに思っております。

 また、里親の仕組みにつきまして、先ほど申し上げましたように、養子縁組の形をとるものもありますけれども、基本的には、養育里親の場合は、あくまで施設と同じような形で実の親にかわって子供の養護を行うということであります。
養子縁組とイコールといいますか、里親に委託してしまうと、もう実の親のほうが縁が切れてしまうのではないかというような誤解をされる方もおられまして、なかなかそういった要素で里親への委託が進まないというところも現実としてはございます。

 こういったことで、里親に対するそういう制度の理解について、これは県民の皆さん広くということでもございますけれども、必要ではないかということで、県民向けのフォーラムですとか、あるいは自治会等に出かけていって里親の制度について御説明をするというような機会も行っているところでございます。

 さらに申し上げますと、里親に一旦委託してもどうしても合う合わないということもありまして、里親の委託不調という形で、もう一回やはり施設のほうに戻ってきてしまうというようなケースも中にはございます。
こういったことで、里親の方へのフォローというのもしっかりしていって、いろいろ里親の方に対する相談等支援対策を充実することで里親への委託を進めていくということも必要ではないかというふうに考えているところであります。

 施設の退所後の話がございました。

 児童養護施設を退所した若者に対しての支援ということでございますけれども、これは、県では施設退所者に対して、生活や就職に関する相談支援を行う退所児童等アフターケア事業というのを、実は国が平成20年度からモデル事業を行っておるのですけれども、その20年度から鳥取県としても手を挙げて実施をしております。
まだ全国でもこの事業を実施しているところが、47都道府県中約半分ぐらいということでありますので、鳥取県としては先進的にこういった取り組みをしているところであります。

 また、自立援助ホームですね、高卒年齢、高校年齢等のお子さんが養護施設の後に行かれるところもございますけれども、こういった自立援助ホームにつきましても、単県の人件費補助を行っておりまして、こういう退所後の自立支援を行うような職員のほうの配置を行っているところであります。

 こういった形で取り組みを行っているところでありますけれども、議員の御質問がございましたように、18歳で就職して退所してしまうということになりますと、やはりひとり立ちした後、それから、就職した後、やはりどうしても転職される方とかおられますと、なかなか連絡がとれなくなってしまうというお子さんも現実的におられるのも事実でありまして、本県でありますと、今のところ過去5年間で退所された中でちょっとそういう形で日常的に連絡をとっていないという方が4名ほどいらっしゃるというふうにお聞きをしているところでございます。

 最後に、児童養護施設に子供を預けた親に対する支援プログラムについての御質問がございました。

 こういったいわゆる虐待をしてしまった親に対して、あるいは、子育てに対する不安がある親に対してですけれども、児童相談所のほうでは、そういう暴力に頼らずに子供を育てていくということで、コモンセンスペアレンティング、別名、日本語で、どならない子育てとも言いますけれども、こういったプログラムを実施しております。
これは、実際にいわゆるロールプレイという形でそういう親御さんに集まっていただいて、親の役と子供の役と繰り返してやりながら、7~8回ぐらいですけれども、こういった形で実際にやってみながら、つい手が出るとか、どなるというようなことがないような形で子供と接していくようなトレーニングというのをやっております。

 また、実際にその対象に向けても段階的にステップを追って、少しずつ対象に向けて一つ一つ取り組んでいくというような形のプログラムを組みながら、最終的には、家族再統合といいますけれども、親のもとでお子さんが過ごせるようにという形で児童相談所のほうでプログラムを実施しているところでございます。


三田会計管理者:

 それでは、子供の貧困問題と公契約について答弁をさせていただきます。

 子供の貧困問題と公契約の関係についての御指摘をいただきましたが、そもそもこの公契約条例の問題は、適正な賃金や労働条件、これを確保するという意味から大変重要なこととして従来から真摯に検討を進めているところであります。

 先ほど知事答弁でもありましたように、この公契約条例の取り組みとあわせて、委託業務の労務単価を引き上げたり、あるいは、最低制限価格制度を適用するなど、県が発注する事業で適正な賃金や労働条件が確保されるような取り組みをあわせて組みながらこの問題に対応していきたいというふうに思っておりまして、県が発注する事業で低賃金が発生するというようなことがないように、今後とも十分留意して対応していきたいというふうに考えております。

 既に公契約条例を制定している市区でどういった問題があるのかというお尋ねもございました。

 これにつきましては、現在、千葉県の野田市など、17市区で既に制度化されております。
こういった市区でどんな問題が起こっているかということですが、多くの市区で共通に起こっている問題といいますか、状況の一つにこのようなことがあります。
まず、17市区全てですけれども、受注企業側の負担がかなり大きくなるというようなことも配慮にあったのだと思いますが、公契約条例の対象事業を予定価格が一定額以上の高額な業務に限定をしているという状況がございます。
これによって、当然対象事業の件数は少なくなりますし、限られてきますし、その受注企業も比較的大きな企業に限定される傾向がございます。
したがいまして、多くの小規模の企業へはこの公契約条例の制度化の効果がなかなか及ばないというような状況がございます。

 また、公契約を受注している企業の中には、例えば、県からの受注期間に限って公契約手当というような臨時的な手当、公契約の業務が終わりましたらなくなってしまう手当なのですが、こういったものを入れて、公契約業務に従事する従業員だけにそういう手当を支給したりして、公契約条例が求めるある一定額以上の賃金を支払いなさいという条件をクリアしているというようなところもございますし、あるいは、その公契約条例で受注した業務にもともと賃金単価の高かった人を企業の中から配置がえのような形で、そういう方を配置してそこに当たらせるというようなことで、公契約条例の賃金条項をクリアするというような企業もあるというようなことを一部の市区からも伺っておりますので、こういうことを考えますと、公契約条例を制度化した市区からは、狙っていた効果が少し限定的になっているというような面があると伺っているところであります。

 また、そのほかにも、こういったことを問題視する市区もございます。
それは、同じ企業で同じ清掃業務に従事している場合で公契約条例の対象となった場合ですけれども、その企業の中で、それ以外の業務についている方との間で同じ労働であっても二重の賃金体系になるといいますか、賃金格差ができるということで、同一企業で賃金格差が出ることを余りよしとしないというような声も伺っております。

 今、問題点についてという御質問でしたけれども、一方、公契約条例の制定に伴って、例えば、地域の労働者の方々の賃金にどういったアップ効果を与えたかというようなことを我々は非常に関心を持っておりまして、野田市など、早い時期にこうした条例を制度化したところに伺うのですけれども、いずれもその効果を把握したり、分析したりしていらっしゃるところが現時点ではないということなので、我々は引き続きそのあたりの効果のほうにも注目しているところであります。

 いずれにしましても、公契約条例につきましては、従来から強い問題意識を持って検討してきておりますので、今後も引き続き、国やこうした他の自治体の状況、特に効果とか問題点も含めて注視してまいりたいというふうに考えております。


山本教育長:

 森議員の一般質問にお答えを申し上げます。

 社会的養護が必要な子供たちへの教育についてのお尋ねでございました。

 全国学力・学習状況調査の結果を見ても、全ての子供に十分な学力が身についていないといった現実もございまして、現時点で十分な学力が身についていない子供たちについて、それぞれ課題を明らかにした上で、きめ細やかな学習支援でありますとか、配慮を要する子供たちへの支援を充実させていくことが必要であるという認識のもとにいろいろ取り組みを行っておるところでございます。
社会的支援を要する子供が低学力ということは、一概に言えるわけではないのでございますが、こうした子供たちの多くは生育の状況でありますとか、保護者とのかかわり、家庭の貧困など、さまざまな要因から心身ともに非常に厳しい状況にあり、十分な配慮と支援を要するものと認識をいたしております。

 こうしたことに対しまして、日々の授業をきちんと取り組むということが必要であろうと思います。
きめ細やかな授業をするために、少人数学級でありますとか少人数指導、あるいは授業改革など取り組んでおるほか、例えば、社会的養護が必要な子供たちが入所する児童養護施設を有する市町村に対しては、これは子供たちが通う学校の状況でありますとか、児童生徒の実態も勘案する必要がございますが、教職員の加配といったような措置も行うなど、そうした配慮も行っておるところでございます。

 また、市町村のほうでは、こうした厳しい状況にある子供たちがそのことによって不利益をこうむったり、学習がおくれたりしないように、学校での補充学習でありますとか、このたびの議会でも議論になっております地域未来塾、あるいは、放課後子ども教室への参加、学習会の実施等々さまざまな取り組みを行っているところでございまして、県の教育委員会としても、そうしたことに対して支援を行っておるところでございます。

 さらに、高等学校においては、社会に出る直前の生徒に対して必要なルールやマナー、あるいは学力、そうしたことを身につけさせる場所でもございます。
入学した全ての生徒が卒業までしっかり学べる、そうした環境づくりに取り組んでまいりたいと考えておりますが、そうした意味で卒業率というお話がございましたが、その裏返しになろうかと思いますが、近年、高校中退率で申し上げますと、全日制、定時制合わせて平成12年ごろは2%を超えていたものが、近年1.5%程度となっておりまして、昨年度はこれが1.15%と下がってきております。
中退することなく卒業する割合もふえてきておるところでございます。

 中退の理由としては、家庭の事情、あるいは、経済的理由、学校生活への不適合などのほか、別の高校へ進路を変更するといったこともございます。
県の教育委員会では、平成16年4月に定通独立校の鳥取緑風高校、あるいは、米子白鳳高校を相次いで開校いたしておりますが、中途退学をした生徒の進路先の一つになるとともに、こうした学校におきまして、少人数のクラスで生徒一人一人に寄り添った支援を行うことで高校卒業へとつなげておるという状況でございます。

 さらに、平成25年度からはスクールソーシャルワーカーをこうした定時制高校に配置をいたしておりまして、家庭の経済状況、あるいは家族関係等に問題を抱えている生徒に対して、今まで学校だけでは手が届かなかったところに、例えば、家庭に入り込んだり、福祉等々の関係機関につなげるなどしながら問題解決を図っており、こうした取り組みが中退率を下げ、卒業に結びつけることにつながっているのではないかと思っております。
このスクールソーシャルワーカー、現在では生徒が高校を中退、あるいは卒業しても、生活者としてみずから選択して地域の支援を受けることができるように、若者サポートステーション等と連携しながら、生徒の在学中から地域につなぐ支援を始めております。
こうした支援をより充実するために、このたびこのスクールソーシャルワーカーの増員をこの議会にも関係予算をお願いいたしておるところでございまして、引き続き環境整備に努めるなど取り組んでまいりたいと考えております。


森雅幹:

 答弁をいただきました。

 まず、子供の貧困問題であります。

 知事のおっしゃるとおり、市町村というわけではないのだと。
ここで、私の視点は、もしこういったことでやっていくとするなら、中学校区単位でこの事業をやられる。
例えば、鳥取市がやっているといったとしても、鳥取市が1カ所やっているというのと、あるいは、米子市で1カ所やっているというのと、日吉津村がやっているというのでは、子供のカバー率が全然違うわけですよね。
だから、こういった形で達成目標という形で考えていくならば、中学校区単位が全部がカバーできたということになれば、これはそれは意味があるなという気が私もいたしますので、そういったことも考えていただきたいなと思います。

 こういった子供の貧困問題については、何人もの方が質問に立たれました。
そこで問題は、この社会構造にあるのだという知事の答弁、まさにそのとおりであります。
川上問題、川下問題あるわけですけれども、大きな流れとしての川上問題は国の問題であります。
川下問題として、県であり市町村でありが対応しなければならない部分が多いのであろうというふうに思います。

 そういった中にあって、ちょっと一つ追及したいと思うのですが、デジタルデバイドという言葉があります。
高齢者やデジタル機器が苦手な人がデジタル機器が使えないことによる情報格差のことであります。
この貧困によってもこれはデジタルデバイドが起こるわけです。
さわったこともなければ、スマホなど人が持っているのは見たことがあるけれども、自分はさわったことがない、そういったこと。
また、もう一つ重要なのは、文化デバイドという言葉はないのかもしれませんが、美術館に全然行ったことがない。
いろいろ美術館の議論がされていますけれども、親に連れて行ってもらったことなどが全然ない。
あるいはコンサートももちろん行ったことがない。
こういったことの文化によってのデバイドというのは物すごい大きいものがあるのですね。
こういったものを解消する必要があるのではないかと思うのですが、これは施策としてできないのか、知事に伺います。

 労働政策の観点で、とっとり若者サポートステーションでやっていただいているということでいいのですけれども、特にこれまで若者サポートステーションでは、いわゆるひきこもりの人であるだとか、発達障害である若者とか、そういった方々を特に注目して、こういった人たちに就労の機会を与えるサポートをするのだという形できたと思うのですけれども、私は一方で、今回これだけ子供の貧困の問題が出てくると、そういった方に特化した若者サポートステーションみたいなことが必要ではないのかと思って質問したのです。
残念ながら、そのことについてはちょっとはっきりした答えがなかったので、ちょっとそのあたりをもう一回お願いいたします。

 あわせて、正規、非正規の問題で、非正規労働者がふえているがために、結果的にその非正規で、お母さんもお父さんも非正規、あるいはひとり親家庭でなおかつ非正規だと。
そういった親の子供さん、非常に苦しい生活をしている。

 知事は正規雇用1万人ということで大きな目標を掲げられました。
前期は新規雇用1万人ということだったのですけれども、今期は、新規雇用の中でも正規雇用が1万人だということで大きな目標を立てられました。
本当に敬意を表するところであります。
これが本当の意味で、今貧困に悩んでおられる方を何とか正規雇用に持っていく。
そういった具体的な何か手だてができないものかと考えるのですが、知事にそのあたりもお伺いいたします。

 あわせて、きょう伊藤議員の質問の中で、県職員の非常勤問題が出ているのですけれども、知事はこの正規雇用1万人ということで、民間の方々に正規雇用をしてくださいと。
それについては補助金も出しますよということで一生懸命やっておられます。
本当に敬意を表するところなのですが、一方で、県という大きな職場では、また1%正規雇用を削減していくと、こういう話なのですね。
外に言っておられることと中でやっておられることが違うのではないのか。
ダブルスタンダードになっているのではないかなと思うのですよね。
県の中の非常勤職員も正規雇用に変えていくのだと、私はそういった取り組みが必要ではないかと思うのですが、あわせて伺います。


平井知事:(登壇)

 まず、デジタルデバイドに似たような話で、文化デバイドの是正ということでのお話がございました。

 これについては、今いろいろと手だても講じていたり、あるいは民間のほうでも動きがいろいろあったりして、またきょうも御質問がありましたので、またその辺を関係者といろいろ促進策を考えるかなということだと思います。

 例えば、博物館であるとか、そうした各種文化施設がありますが、子供についての無料化を順次進めてまいりました。
こういうところで文化や芸術について接していただける、そんな意味で文化デバイドというものを解消していくというのは一つかと思います。

 また、親子劇場とか、子供劇場という運動がありまして、これ割と地域密着型でされておられますが、帰するところは、要は余りお金を出すということではなくて、気軽に子供たちにアートスタートという形で始めてもらおうということでありまして、これの支援をしていくということの方向性もあります。

 また、このたび子供の居場所づくり事業ということをさせていただきました。
この提案の中に、実は今の文化芸術の出前とか、その機会に触れる、これも実は対象事業に入れておりまして、低所得者の子供たちが中心になりますけれども、その居場所づくりの中でそうした対策も入れさせていただいております。
実はこれ、彼らもそうかもしれませんけれども、割と民間主導で行われているところもございまして、有名なところでは、日本生命さんがニッセイ文化振興財団でこころの劇場というのをされています。
全国巡回して、劇団四季などがやられるわけでありますが、今年度も3回にわたりまして、学校を無料招待しているという事業をしてくださっておられますし、同じようなことを朝日新聞系の財団とか、NHK系だとか、いろいろとそうしたことでお取り組みもいただいているところであります。
こういうのをうまくかみ合わせていったり、それから、私どもの文化振興財団がやっているアートの出前ですね。
例えば、劇の指導だとか、そうした演奏の出前だとか、そういう子供たちに向けてやる事業を財団のほうでしておりますが、この辺を上手に組み合わせて、今おっしゃる問題意識に応えていければなというふうに思います。

 若者のサポートステーションのお話がございまして、低所得者対策でどういうことをということなのですが、先ほどちょっとお答えしたつもりだったのですけれども、低所得者だから就職が難しいということは直接ではなくて、そういう御家庭や教育環境の中にあるものですから、どうしてもコミュニケーションのやり方だとか、それから、人づき合いのこと、適応力、いろんな課題を抱えておられる若者がふえてきていると。
それに対する対策として照準を当てていくべきではないかということで申し上げて、そういう意味では、この仕事プラザは従来どおり活用すればいいですし、議員がおっしゃったように、若者サポートステーション、どっちかというと、発達障害だとか、そういう適応力の課題のある子供たちのことを今もやっていますし、これを活用する。
あともう一つ、あわせて日本財団と今ちょっと話をしているところでまだ構想段階なのですけれども、そういう困難な状況にある若者の就業できるモデルを、川口でやっているような例をこちらでも導入できないだろうか。
こうしたことを組み合わせて考えてみてはということを今検討しております。

 次に、正規雇用1万人のプロジェクトについてお尋ねがございました。
これは詳細、高橋局長のほうからお答えを申し上げたいと思いますけれども、正規から非正規への雇用転換の30万円ということ。
これは低所得者に限ったことではありませんが、思い切った政策として提示をさせていただき、だんだんとこれを活用してふえてきているところであります。
最近もKBCという会社さんでは、これは電池を製造するわけでありますが、今まで派遣で受け入れていた人たちを正規に10人転換をするということをしていただきました。
これ多分人材確保とかで必要なのですね、今。
そういう時代の波もあると思うのですが、これを活用しながらそうしたことを進めていけないかなと考えております。

 最後に、県庁の体制についてのお話がございました。

 これは多くは今、伊藤議員ともやりとりをしたので割愛をさせていただきたいと思いますが、正規を減らして非正規をふやすというオペレーションはいたしません。
非正規がふえるというのは、さっき申し上げた、いろんな震災対策の事業だとか、そこで膨らんできておりますけれども、正規のほうにつきましては、ノミナルな行財政改革努力をしますよという趣旨で1%ということを入れさせていただいております。

 この行財政改革は何のためにやるかというと、持続可能な財政運営のためということになるわけでありますが、それは実は財源を生み出しまして、その財源で、先ほど申し上げました若者サポートステーションだとか、それから、30万円の非正規から正規の転換だとか、そういう県単独事業である程度前に向いた事業をして、社会の中での正規雇用をふやそうという意図も当然ながら入っているわけでございます。
なかなか難しい課題もいろいろとあるわけでありますけれども、現場の御理解もいただきながら、最終的に1万人の正規雇用実現に向けて動いていければと念じております。


高橋雇用人材局長:

 正規雇用1万人を進めるための具体的な手だてということで補足の答弁をさせていただきます。

 正規雇用転換のために、雇用の場の創出だけではなく、県内外からの人材確保、非正規雇用への転換というところで取り組んでいるところでございます。
雇用の場の創出につきましては、特に正規雇用が期待できるような企業立地の方針転換ということで、専門性を生かしていけるような本社機能移転とか、成長産業の企業誘致とかをしているところでございます。

 また、県内外の人材確保、育成につきましては、奨学金返済助成を拡充して、経済的負担を軽減するような取り組みをやったり、グローバル万能工というような職業訓練による高度な技術により正規雇用に結びつける取り組みを行ったりしています。

 先ほど知事のほうからございました正規雇用転換でございますけれども、今回6月補正で県のほうで正規雇用転換促進助成金をつくりました。
国のほうでもキャリアアップ助成金がございまして、今優秀な人材を確保する必要があるということで、非常に申し込みが多くなっております。
昨年度ですと、国のほうで76人であったものが、今年度ですと今252人の申し込みがございますが、昨年度の3倍以上の実績が上がっているところでございます。
国のほうの助成金の対象とならないような零細な企業様につきましても、県の助成金を活用するなど、正規雇用転換の動きが進んでいるところでございます。
こうした取り組みを一つずつ着実に進めることによって、具体的に正規雇用に結びつけていきたいというふうに考えております。


森雅幹:

 ぜひこの正規雇用1万人、御努力をお願いしたいと思います。

 公契約条例の問題ですが、私はこの問題を何回もやってきて、これまではその内容はわかるが法的な問題でだめだだめだということで答弁をいただいてきました。
現実問題としての対応をそれぞれやってきていただいているということは重々わかっております。
私はこういった中にあっても、理念条例を4つの県がやっているわけですけれども、理念条例でも私は意味があるのだと思うのですね。
こういったことをやるのだよということで県は宣言をする。
それで、その中身も最低賃金しか書けないということを知事の答弁でありましたけれども、それでも仕方がないのではないかなというふうには思っています。
その効果はあると私は思うので、この後のちょっと質問はしませんが、要望にとどめますが、ぜひこういった理念条例ででも私はやる意味があると思うので、ぜひ引き続きの検討をお願いしたいと思います。

 次に、社会的養護が必要な子供にかかわる諸問題です。

 私、初めて米子の児童養護施設に行ったときに驚いたことがあります。
就学前の子供たちというのは、いわゆるよその人が来るととても懐かないというか、全然そばに行かないと、そういうものなのですが、全然知らない私が行ったときに、何人もの子が私の足に抱きついてくる、こういった経験をしました。
要するに、大人を求めている子供たちなのですね。
要するに愛された経験がなくて大人とどういう関係を持っていいのかわからない。
とにかく大人が来たら抱きつけば何とかその愛が返ってくるのではないかというふうに考えている。
そういうふうに施設の職員さんに伺いました。
もう私は本当にショックでした。

 そういった子供たちが思春期を経て、就職をして巣立っていくのですけれども、そこを何とか普通の家庭以上の状態にして出してやりたい。
また、そこで本当に一人前になって支えられる側から支える側に導いていく。
このことが私は非常に重要だと思っています。

 そこで学力の問題で、教育長にお話をしたいのですが、特に思春期を経る中で、学業において自分の生い立ちから始まって、いろんなことで自分などだめなのだというふうに思っている子供たちが多いのですね。
どうしても地域の周りの保護者からは違った目で色眼鏡で見られると。
そういった中にあって、なかなか学業に向かっていけない。
そういった子供たちが多い。
同和対策で出かけていって事業をやっていますよね、同和対策で。
これと同じことがこの施設でできないのか。
確かに施設では施設の福祉の関係の加算もあって学業支援という授業もやっているのは知っていますが、私は教育委員会の側からそれができないのかなというふうに思います。
要するに学業ができて、何かに自信を持てばもっともっとこの子供たちは伸びていくのに、その自信が持てないというところを何とかしたいと思うのです。
そのことについては、学業支援というのは結構有効ではないかなと思うので、そのあたりのことを伺います。

 施設の職員の対応の話をしましたが、この間、保育士の話で知事からの答弁で、この社会福祉の世界は慈善事業の歴史があって、篤志家の事業でいろんな問題が、例えば施設の土地は寄附が当然だとか、そういったことから、あるいは、給料が安くても当たり前なのだとか、こういうようなことが背景にあるのだと。
そこで、この養護施設なども全部皆さんからの寄附をお願いしますというような形で、その寄附をもってようやくその施設の運営ができているような、そういった状況があると思います。
また、この卒業式の季節、あるいは入学式の季節になると、ランドセルを伊達直人からもらったとか、こういったことが話題になります。
入学式が近づくとそういったことが、何か当たり前のような社会になっている。
私は福祉の社会化が必要だと思うのです。
介護の社会化という言葉があったのですが、福祉の社会化がまだできていないのではないか、このことを本当にどういうふうに見ているのか、知事に伺いたいと思います。

 例えば、2月末補正でパソコンがようやく施設に配置をされました。
これは16歳以上、高校生対象にということでパソコンがどうも配備されたようなのですが、ここにも施設の子供たちには、デジタルデバイドができているのではないか。
小学生、中学生でも、一般の家庭には全部パソコンなどがあって、子供のときからそういうものにさわっているのだけれども、施設の子にはそれがない。
だけれども、中高生が卒業して就職するにはパソコンも必要だからということで配置されているのですが、中高生にも必要ではないのか、そういうふうに思いますが、あわせて知事に質問をいたします。


平井知事:(登壇)

 森県議から重ねてのお尋ねがございました。

 社会福祉の社会化というのは当然必要な課題になるわけでありまして、この間ちょっと申し上げたことが100%うまく伝わっていなかったかもしれませんが、もともと厚生省の伝統的なつくり方がそういう慈善事業を前提につくっているものですから、我々から見ると不十分だと。
それを何とかしなきゃいけないということで、介護保険という仕組みを実はそこにかみ合わせてあって、介護保険ですとか、あるいは障害福祉は、今、措置費から支援のあり方に変わってきていますけれども、そういうのが民間との契約でサービスを提供するようになってくると。
そこである程度利益といいますか、ちゃんとした財源も確保しながらサービスが提供できるようにというふうに社会保障構造改革というのをやってきたのが最近の状況であって、その中で、要は補助金ということを以前のところでまかなえるものをふやしていこうというようにしているという、時代の流れの御説明をさせていただきました。

 ただ、この児童養護の部分は私はおくれている分野の一つだと思っています。
そういう意味で、障害者サービスにも一部入ってきましたし、特に高齢者のほうでは、全国チェーンのような形で高齢者施設ができてきているのはその辺に事情があるわけでありますけれども、この児童養護のところはおくれが目立っていまして、私ども鳥取県はどちらかというと、こういう社会的養護を求める子供たち向けの施策は、ほかよりも踏み出して今はやっているという実情にあります。

 平成26年、おととしぐらいだかちょっと社会問題化しましたけれども、「明日、ママがいない」というドラマがあって、これが社会養護の施設、里親のところに出される前の施設の状況などが描かれていたわけでありますが、ちょっと少し誇張が過ぎるようなそういう表現で、子供たちの人権だとか、それから施設の職員のあり方とか、そういうところにちょっと誇張のあるような表現がなされていて社会問題化しました。
あのとき声を上げたのが、実は鳥取こども学園の藤野先生なのですよね。
藤野先生が全国の児童養護施設の会長をされているということでありまして、これはこういう児童養護のあり方に対する世間の誤解を増長するのではないか、また、入っている子供たちに対する偏見を生むのではないかと立ち上がられまして、スポンサーが撤退をするとか、大変な反響があったわけでありました。

 その藤野先生がおっしゃっていましたけれども、他県から見ると、鳥取県はそういう意味で踏み出してやってくださっているというふうにおっしゃってくれているほどに、よそはおくれているということなのだと思います。

 先ほどデジタルデバイドのこと、あるいは、将来のひとり立ちできる生活の支えとして、子供たちがパソコンを使える環境をつくろうという事業を動かさせていただきましたけれども、こういうことをいろいろと現場の状況に即してやっていくことが、初めて貧困の連鎖を断ち切るそのおのになり得るのだと思っています。

 小さなことなのだろうと思うのですけれども、ただ、私どもがやっている小さなことが国全体で見るとかなり先進的なことになるぐらい、この分野は若干おくれが目立っているところでありまして、今後も森議員のきょうの質問を踏まえて、現場の皆さんと協議をして改善を図ってまいりたいと思います。


山本教育長:

 森議員から、重ねて学力支援につきましてお尋ねがございました。

 児童養護施設におきます学力支援につきましては、さき方御答弁申し上げました。
いわゆる加配というのをやっている中で、市町村によってはその教員が施設を訪問して学習支援を実施しているといった例もございます。

 また、さき方お話にあったように、施設のほうでそうした学習指導のための職員を置かれて指導をされている、支援を行っているといった例もあるようでございます。
このたびお話がございましたので、実態も含めて市町村とよく意見交換をさせていただきたいと思っております。


森雅幹:

 ちょっと里親の問題をお話したいと思います。

 皆さん、里親ということでインターネットのグーグルで調べると何が出てくるか御存じでしょうか。
里親を検索すると、何が出てくるかというと、「犬や猫の里親を探しています」というのがぶわっと出るのです。
里親という言葉は、これは法律の用語であるのですけれども、本当に大変な仕事をしていらっしゃる方々です。
ところが、そういったことがなかなか世間に知れ渡っていない。
そういうことでなかなか進んでいないのが現実です。
この広報についてぜひやっていただきたいと。
それからまた、きょうもお話がありましたが、本当に里親に預けられる子供は虐待とかいろんな背景を持った子たちで、育てるのが非常に難しい子たちであります。
ところが、里親になるために3日間ほどの集中的な研修を受けてまず登録して、その後いろんな研修を受けるということになっているのですけれども、ふやしていくにもその質が重要です。
その質の確保をぜひお願いをしたい。
そういうふうに思いますし、きょうのお話は更正プログラムです。
あわせて親の支援をお願いします。


平井知事:(登壇)

 森議員のほうから里親の確保についてお話がございました。

 本県も、以前よりは里親を引き受けられる方がふえてきておられるわけでありますが、しっかりとした体制づくりが必要であります。

 今、議員がおっしゃったように、非常に厄介なお仕事ということもあります。
そこでいて非常に士気高くやっておられるということもございます。
そこで、県としても今、里親支援とっとりという仕組みを県内の児童養護施設と連携してつくらせていただき、悩み深い里親の皆様をサポートする体制をつくりましたし、また、里親メンターとして、里親のベテランの方が寄り添うようにそのアドバイスを行ったり、立ち入っていただくというようなことも始めたところでございまして、こういうことなどを通じて環境づくりをしていかなければいけないと思います。

 本当に海外を見ても、カスタディという里親という制度は非常に広く行われて当たり前のように存在するのですが、我が国の場合、まだまだ十分に行き渡っていない、そこに踏み込んでいく方々がまだ十分ふえていないという状況があります。
片方で里親を必要としている愛情を求める子供たちがいるわけでありまして、私たちの地域から、そうしたきずなをつくっていけるように努力してまいりたいと思います。